指定申請で「最初にやること」を解説します【東京都版】

障害福祉サービスの事業所を開設しよう!と指定申請に必要な書類の一覧を初めて見たものの、その量に「こんなにあるの!?」と驚かれる方がほとんどかと思います。

実は、最初に確認・決定すべきことはそこまで多くありません。これらをきちんと固めてから動き始めることで、書類準備の手戻りが格段に減ります。

今回は東京都で障害福祉サービス事業所の指定申請を検討している方に向けて、「最初にやること」を解説します。


そもそも「指定」とは何か?

障害福祉サービスを提供し、利用者の代わりに市町村から介護給付費・訓練等給付費を受け取るには、都道府県知事(または市町村長)から「指定」を受けることが必要です。

「指定」とは、人員・設備・運営の各基準を満たしている事業所として行政に認められることを意味します。逆に言えば、指定を受けていない事業所でサービスを提供しても、給付費を受け取ることができません。

指定を受けるためには書類を揃えて申請する必要がありますが、書類を揃え始める前に確認しておくべきことがあります。それが以下の3つです。


やること① サービス種別と指定権者を確認する

最初にすべきことは、「どのサービス種別で申請するのか」を明確にし、「そのサービスの指定権者が誰なのか」を確認することです。

障害福祉サービスには多くの種別があります。グループホーム(共同生活援助)、就労継続支援B型、就労継続支援A型、就労移行支援、生活介護、居宅介護(ホームヘルプ)、短期入所(ショートステイ)……種別によって、人員・設備・運営の基準がまったく異なります。そしてサービス種別によって、指定権者(申請先)も変わります

サービス種別指定権者(東京都の場合)
居宅介護・重度訪問介護・同行援護・行動援護東京都知事
短期入所・療養介護・生活介護東京都知事
就労移行支援・就労継続支援A型・B型東京都知事
共同生活援助(グループホーム)東京都知事
計画相談支援・地域定着支援事業所所在の市町村長

(障害者総合支援法第29条・第51条の14参照)

たとえばグループホームや就労継続支援B型であれば、申請先は東京都障害者支援課(または各圏域の担当窓口)ですが、計画相談支援や地域定着支援は事業所が所在する市区町村の窓口に申請します。

指定権者が違えば、提出書類の書式・チェックリスト・審査の観点もすべて変わります。「自分が開きたいサービスの申請先はどこか」を最初に確認しておくことが、手続きの第一歩です。

なお、「指定」制度の全体像については、以前のブログ記事「障害福祉サービス事業所の指定申請に必要な書類について」でも解説していますので、あわせてご覧ください。


やること② 法人格を確認・取得する

障害福祉サービスの指定申請は、法人でなければ申請できません

実際に使われる主な法人格は以下のとおりです:

  • 社会福祉法人:設立に時間・費用・資産要件がかかるが、行政との信頼関係や補助金での優位性がある
  • NPO法人:設立は社会福祉法人より簡易だが、認証まで2〜4か月程度かかる
  • 株式会社・合同会社:最も設立が速く費用も安い。障害福祉事業を行う法人として広く使われている

まだ法人格を持っていない場合は、指定申請のスケジュールと並行して、早めに法人設立手続きを進める必要があります。株式会社や合同会社なら設立まで1〜2週間程度ですが、NPO法人は所轄庁の認証に2〜4か月、社会福祉法人はさらに時間がかかります。開業希望時期から逆算して動き始めることが重要です。

すでに法人格をお持ちの場合も、定款(または寄附行為)の目的欄に「障害福祉サービス事業」または該当するサービス種別の事業が記載されているかを確認してください。記載がない場合は目的変更の手続きが必要になります(会社設立時や他事業での法人設立時に障害福祉サービスの事業目的を入れていないケースが意外と多いです)。


やること③ 事前協議を申し込む

法人格を確認したら、次は都(または市区町村)への事前協議の申込です。

東京都では、障害福祉サービスの指定申請を本申請する前に、事業所の所在地を管轄する東京都の窓口に対して事前協議を行うことが求められています(東京都障害者支援課の手引きに基づく運用)。

事前協議では、主に以下のことを確認・相談します:

  1. 予定物件の適否:用途地域や建物の用途が、障害福祉サービス事業所として使えるかどうか
  2. 人員確保の見通し:サービス管理責任者(サビ管)など必須資格者の確保状況
  3. 運営体制の概要:法人の状況、開業予定時期、事業規模

事前協議を経て、担当窓口から「申請受付が可能」という確認が得られて初めて、正式な書類の準備と提出に進むという流れになります。

つまり、事前協議なしに膨大な書類を揃えてしまうと、物件の適否や人員配置の問題で最初からやり直しになるリスクがあるのです。書類より先に事前協議——この順番を必ず守ってください。

事前協議の申込は、開業希望日のおおむね3〜6か月前を目安に行うのが安全です(窓口の混雑状況や審査期間によって変動するため、早めの問い合わせをおすすめします。要確認:各担当窓口の最新スケジュールをご確認ください)。


まとめ:最初の3ステップ

やること確認ポイント
①サービス種別と指定権者の確認申請先によって書式・審査内容が変わる
②法人格の確認・取得定款の目的欄も必ず確認
③事前協議の申込書類準備より先に動く

この3つを固めることで、その後の指定申請手続きを無駄なくスムーズに進めることができます。

申請の進め方や「自分の場合はどうすればよいか」についてお困りの方は、お気軽にご相談ください。一緒に整理しましょう!


行政書士 高橋一樹(東京都小平市)
障害福祉サービス事業者の申請・運営サポートを専門としています。
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