ご挨拶と……深いお詫び
行政書士の高橋です。
このブログ、最後の投稿から1年以上が経過しました。
「ブログはじめました」と高らかに宣言しておきながら、その後ずっと沈黙…。「三日坊主」どころか「一投稿坊主」という、行政書士としての信頼性を根底から揺るがす所業を犯してしまいました。本当に申し訳ありません。
お問い合わせいただいたみなさま、楽しみに待っていてくださったみなさま(いらっしゃれば、ですが……)、心よりお詫び申し上げます。
言い訳を一つだけ言わせてください。サボっていたわけではなく、障害福祉分野の業務に真剣に向き合うあまり、情報発信が後回しになってしまいました。これを機に、定期的にブログを更新していきます。改めて、よろしくお願いいたします。
障害福祉サービスとは?
さて、気を取り直して本題です。
今回から「障害福祉の基礎知識シリーズ」として、障害福祉に関わる事業者のみなさまに知っておいていただきたい制度の基本を解説していきます。
第1回は、障害福祉サービス制度の全体像です。
「障害福祉サービス」とは、障害のある方が自立した日常生活・社会生活を営めるよう支援するために、国が定めたサービスの総称です。その根拠となる法律が「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」(以下「障害者総合支援法」)です(障害者総合支援法第1条)。
2013年(平成25年)に旧・障害者自立支援法を引き継ぐ形で施行され、その後も数度にわたる改正を経て現在に至っています。
対象となる方
障害福祉サービスを利用できるのは、主に以下の方々です(障害者総合支援法第4条)。
- 身体障害者:身体障害者手帳を取得している方(原則18歳以上)
- 知的障害者:知的障害のある方(療育手帳の有無を問わない)
- 精神障害者:精神障害者保健福祉手帳を取得している方、または自立支援医療受給者証を持つ方
- 発達障害者:発達障害のある方(精神障害者として扱われます)
- 難病患者:厚生労働省が定める指定難病(366疾病、2024年4月時点)のある方
- 障害児:18歳未満の障害のある子どもは「障害児通所支援・入所支援」として別枠で整理されますが、一部サービスは重複します
サービスの体系:4つの柱
障害福祉サービスは大きく4つの区分に分けられます。
① 介護給付(生活上の介護・支援)
日常生活における介護や移動の支援が中心です。利用にあたっては、原則として障害支援区分(区分1〜6)の認定が必要です(障害者総合支援法第19条)。
主なサービスは以下のとおりです。
| サービス名 | 概要 |
|---|---|
| 居宅介護(ホームヘルプ) | 自宅での身体介護・家事援助・通院等介助 |
| 重度訪問介護 | 重度障害者への長時間の見守り・介護 |
| 同行援護 | 視覚障害者の外出サポート |
| 行動援護 | 知的・精神障害者が行動するときの援護 |
| 療養介護 | 医療機関への長期入院中の機能訓練等 |
| 生活介護 | 日中活動の場での常時介護(入浴・排せつ・食事等) |
| 短期入所(ショートステイ) | 一時的な施設での受け入れ |
| 重度障害者等包括支援 | 最重度障害者への複合的サービス提供 |
| 共同生活援助(グループホーム) | 共同生活の場での日常的な援助 |
| 施設入所支援 | 施設入所者への夜間等の支援 |
② 訓練等給付(自立・就労に向けた支援)
日常生活能力や就労能力の向上を目的とした訓練・支援です。介護給付とは異なり、障害支援区分の認定が不要なサービスが多い点が特徴です。
| サービス名 | 概要 |
|---|---|
| 自立訓練(機能訓練・生活訓練) | 身体機能や日常生活能力の向上訓練 |
| 就労移行支援 | 一般就労を目指す方への訓練(原則2年) |
| 就労継続支援A型 | 雇用契約を結んで働く場の提供 |
| 就労継続支援B型 | 雇用契約なしで働く場の提供(工賃支払い) |
| 就労定着支援 | 就職後の職場定着を支援(3年間) |
| 自立生活援助 | 施設退所・退院後の地域生活を支援 |
| 共同生活援助(グループホーム)※ | ※一部は介護給付との重複区分あり |
③ 相談支援
障害のある方の意思決定を支援し、サービス利用の計画作成を担う相談支援事業があります。
| サービス名 | 概要 |
|---|---|
| 計画相談支援 | サービス等利用計画の作成・モニタリング |
| 地域移行支援 | 施設・病院から地域生活への移行支援 |
| 地域定着支援 | 地域生活を送る上での緊急時対応等 |
「サービス等利用計画」は、利用者本人または相談支援専門員が作成するもので、どのサービスをどのように組み合わせて利用するかを記したプランです。現在は、障害福祉サービスを申請するすべての方に作成が義務付けられています。
④ 地域生活支援事業
国が大枠を定め、各市区町村・都道府県が独自に内容を設定できる柔軟な事業です(障害者総合支援法第77条・第78条)。移動支援、コミュニケーション支援(手話通訳等)、日中一時支援などが含まれます。内容や利用要件は自治体によって異なります。
サービスを利用するまでの流れ
障害福祉サービスの利用は、次のステップで進みます(厚生労働省「障害福祉サービスについて」)。
- 相談・申請:市区町村の窓口または相談支援事業所に相談し、受給者証の申請を行う
- 障害支援区分の認定:介護給付を利用する場合は認定調査を受け、区分1〜6の認定を受ける
- サービス等利用計画の作成:相談支援専門員と一緒に、利用したいサービスを組み合わせたプランを作成する
- 受給者証の交付:市区町村から受給者証が交付される(有効期間:通常1年間)
- 事業所との契約・サービス開始:指定を受けた事業所と契約し、サービスの利用を開始する

利用者負担について
障害福祉サービスの費用は、原則として本人・保護者の所得に応じた応能負担(1割負担)です。ただし、所得区分(一般1・一般2・低所得・生活保護)によって負担上限月額が設定されており、低所得者と認定された方や生活保護受給者の方は無料となります。
詳細な負担額については、別の記事で解説予定です。
事業所運営を検討されているみなさまへ
障害福祉サービスを提供するためには、都道府県または市区町村から「指定」を受ける必要があります。指定を受けていない事業者がサービスを提供しても、介護給付費・訓練等給付費の請求はできません。
「指定」に必要な基準(人員・設備・運営)や申請の手続きについては、このブログで順次解説していきます。申請手続きでご不明な点があれば、お気軽にご相談ください。
まとめ
今回は障害福祉サービス制度の全体像をご紹介しました。
- 根拠法:障害者総合支援法(2013年施行)
- 体系:介護給付・訓練等給付・相談支援・地域生活支援事業の4区分
- 利用の流れ:申請→認定→計画作成→受給者証→契約・開始
- 負担:所得に応じた応能負担(低所得・生活保護は無料)
次回以降は、各サービスの詳細や申請実務について掘り下げていきます。
行政書士 高橋一樹(東京都小平市)
社会福祉法人・障害福祉事業者の申請・運営サポートを専門としています。
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